今回訪れた大学はどこもレーザー物理をするのに最高の環境でした。その中で、私が進学先選びの際に重視していたのは、研究内容(最重要)や研究設備、さらにはプロジェクトの規模でした。結局私は、カリフォルニア工科大学とハーバード大学とで共同で行っているプロジェクトに一番興味を惹かれました。研究内容も、今までトラップすることを難しいと言われていた粒子である3原子分子を用いており、コロラド大学ボルダー校で取り扱っている2原子分子イオンよりも興味を惹かれました。よって、第一志望はインターンでもお世話になったカリフォルニア工科大学になりました。
キャンパスビジットを一通り終えた帰国後に、コロラド大学ボルダー校の超有名な二人の教授から、「君をうちの研究室に最優先で迎え入れたい」というオファーをいただき、とても驚きました。しかしながら、一番興味のあったカリフォルニア工科大学の教授から幸いにも「君ならうちに来ても受け入れることが可能だ」との有難いお言葉をいただけたので、ハーバード大学やコロラド大学ボルダー校、ノースウェスターン大学への進学は泣く泣く諦めることになりました。たくさんの優秀な学生がこの研究室に興味を持っていたので無理かもしれないと思っていただけに、この言葉は素直に嬉しかったです。このキャンパスビジットでは、世界トップレベルの学生と交流することができ、自分の価値観が大きく広がったり、新たな視点を得ることができました。
今(2020年5月)は、キャンパスビジットから1年が経ち、コロナウイルスの影響でキャンパスには行けませんが、カルテックで希望した研究室でシミュレーションを中心に楽しく研究をしています。私が研究に携わっている分子のレーザー冷却の分野は、今後10年、20年で大きく発展すると考えられます。そのような分野において、世界に先駆けてPhDで何かしらの業績をあげることは、非常に意義深いものであると考えており、自分の将来のキャリアに繋がるよう研鑽したいと思います!