Question: 学部卒業後の様々な進路の中からどのようにPhD受験を決断しましたか?
学部一年の夏に民間企業でインターンをしましたがあまり面白くなく、二年の夏は大学に残り研究を三カ月行いました。この経験がとても楽しかったので、学部二年生の段階で既にPhD受験を決めていました。学部生のうちに民間での経験を積むことも良いと思います。三年生のときにはJICA (独立行政法人国際協力機構)でもインターンをし、結局少し遠回りになったものの、自分の適性ややりたいことを見極めるいい機会になりました。(経済学専攻、北米PhD在籍)
私もPhDに進学するかどうか、また、アメリカに残るかどうかについて悩みました。大学院に進学したい想いはありましたが、本当に研究がしたいかハッキリしていなかったので、学部を卒業した後、二年間のギャップイヤー*1を取りました。ギャップイヤーの間に働いていた研究室でやはり自分は研究がしたいと確信し、博士課程の受験に踏み切りました。将来的にアメリカに長期的に住み続けるかについては未だに悩んでいます。(心理学専攻、北米PhD在籍)
私はアメリカで学部生活を過ごしましたが、通っていた大学が田舎であったこともあり生活が不便だったのが嫌で、卒業後は日本の大学院を受験するつもりでいました。そんな中、日本の外資系の企業でインターンをする機会があり、アドバイザーの方に海外の大学院を勧められ、北米のPhDに応募することを決意しました。また、アメリカの学部は授業料が高く経済的負担が大きかったので、授業料が免除になる北米の大学院は自分にとって魅力的でした。(物理学専攻、北米PhD在籍)
Question: 博士課程では授業料は無償になりますが、経済的に余裕のある生活は送れないと聞きます。就職せずに、博士課程に進学することに関してはどう考えましたか?
学部三年生のときに参加したキャリアフォーラムを機に自分には何が一番大切なのか考えました。就職していた場合に比べるとやはり経済的余裕は少ないので、もし自分が働いていたら、と考えないようにするのが一番理想的な心の持ち方だと思います。博士課程に関しては自分への投資と考えて、経済的な側面に関しては今あまり心配しすぎる必要はないと思います。(経済学専攻、北米PhD在籍)
プログラムや研究室によって研究資金の豊かさも変わるので、ファンディング (資金) は受験するときに見極めるべきポイントの一つです。もし社会人として働いていたらもう少し生活に余裕ができただろうと考えることはありますが、人生において経済的豊かさ以外にも大切なものはあるので、自分にとって楽しい生活を送る上で何が重要かを見極めることが大事です。研究が楽しく、学位を取りたいという思いが強いので、多少経済的な豊かさがなくても充実した生活を私は送れています。。(物理学専攻、北米PhD在籍)
経済面に関してはかなり人生観が関係してくると思います。大学からの給料で不自由なく基本的な生活を送ることはできるので、それ以上の生活を送ることが自分のやりたいことよりも重要なのかどうか考えました。(心理学専攻、北米PhD在籍)
Question:コンピューターサイエンスの分野では企業での研究も盛んですが、大学院進学のメリットはありますか?
例えばアメリカで学位を取得すると、OPTという就労許可を得ることができます。OPTを活用すると卒業後に1年間アメリカで働くことができるため(STEM分野は3年間)、たしかに大学院に進学するメリットは他の分野より少ないかもしれません。ただ、アカデミアでの研究に興味がない人でも、仕事を変えるタイミングでビジネススクールでMBA (ビジネス修士) をとる、という選択をする人は多いようです。(ニューロサイエンス専攻、北米PhD在籍)